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“ 俺様の獲物に手を出すな! ”

 狩り下手のビスマルクがめずらしく大物をゲット。蛾をしっかり咥えこんだ。

 そこへエリザベスが現れる。

 E:おや、ビスマルク、たいそうな獲物をつかまえたじゃないか。

 B:むが。(まあな。)

 E:そいつは美味そうだねえ。でも、まだ、ずいぶん暴れているよ。ちょっとてこずっているんじゃないのかい。 ☞

 B:むがむが(うるせえ婆あだな。アレキサンダーのイロだったからって、おめえなんかお呼びでないぜ)。

 

 E:おやおや、鱗粉が飛び散ってたいへんだ。どれ、あたしがすこし手伝ってやろうかねえ。

 B:むがむが(冗談じゃねえ、金輪際こいつあ俺のもんだ。びた一文やるもんか。)

 

 E:遠慮はいらないよ。その羽はあたしが始末してやるからさ。

 B:むがむが!(ふざけんな!ずうずうしい婆あ奴!)

 

 B:むがあ!!

 E:あれえ!乱暴はおよし。ひえー。

 

 ビスマルク、急いで蛾を丸のみすると、エリザベスを睨みつけて啖呵を切る。 

 B:くそ婆あ、人の獲物にちょっかい出したら承知しねえぞ。

 E:いやだよ、今どきの若いのは年寄りを大事にしないんだから。どケチ野郎。そのうち罰があたるよ。覚えておおき。

 

 

 というわけで、エリザベスはすごすごと退散。

 

 

 

 まだ食い足りないビスマルクは、徹夜して夜が明けるまで猟をつづけましたとさ。