東京ビックサイトで骨董ジャンボリー。
外国人もずいぶん増えてきたみたい。
買う気もなく眺めていると、店主がそれと分っていながら品物についての蘊蓄を説きはじめる。ヒマなんだな。
年金問題について話しかけてくる店主も。こっちもヒマな客だとみられたか。 ☞
以前ほど食指の動くことが少なくなったのは、こちらの好奇心が衰えてきたのか、それとも理性を失うほどの品が並ばなくなってきたせいか。
「色名総鑑」。昭和6年、和田三造著。
和田三造というのに、ピンとこなかったが、あの「南風」(教科書にも載る、筏のような船のうえに筋骨逞しい男が南風に吹かれて立っている油絵)の作者だ。この人は日本標準色協会というのを立ち上げたり、衣笠貞之助の「地獄門」の色彩・衣装デザインを担当したりもしていたのだ。
「色名総鑑」はウィキペディアでも、和田三造の主要な業績として紹介されている。
折本仕立てになっていて、色見本は印刷ではなく、“色片に使用せる顔料は、耐久性を有する、優秀にして堅牢なるものを精選せる…”云々。
別冊に“色の由来と其の実相”。
例えば“羊羹色”の解説。
“…然れども茶菓に用ゆる羊羹の色は実に含蓄ある優美なる色にして、日本独特の美術的趣味多き色を呈す。夏目漱石氏に感想あり、草枕に云ふ。…”
これはなかなかの収穫だったなあ。
綸子の襦袢。
果物や野菜の図柄。ちょっとめずらしい。
でも、どこで使えるかな…。
半襟と紅絹。
半襟の和刺繍はなかなか人形に使えそうな細かな柄は見つからない。
うちわ。
山口華楊の画。
三越が配ったものだそうな。
東京ビッグサイト。
巨大すぎて。
稼働率も何割もいってないんじゃないですかね。
レストランもずいぶん撤退したみたい。