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みや古染

 

 アンティークの着物をほどいて人形用に仕立て直す。

 裏地の八掛と胴裏の生地もそのまま使ってもいいのだが、どうもおもしろくない。

 かすかに赤みを帯びた白の縮緬と平絹で大人用としては上品なのだけれど、もうすこし華やかさがほしい。

 他の手持ちのなかにもしっくりするものがない。では、自分でこれを染め直してみようではないか。 ☞ 

 

 といって、染色などやったことはない。

 ここは専門家に聞くにしくはない。‘みや古染’桂屋に。日本橋小舟町のワークスペースsomenovaで、業務用の絹用の染料を小分けしてもらい、手順もていねいに教えてもらう。

 

 

 素材はこれ。

 平絹は問題なかろうが、はたして縮緬はどうか。

 これはやってみなければわからない。

 

 

 まず水洗い。

 

 

 染料を熱湯で溶かす。

 助剤として酢を用意。

 

 

 5ℓの湯(85℃以上)に染料等を入れた染め液に布を入れて、掻き回しながら2~30分。

 

 

 中性洗剤で洗う。

 

 

 しっかり濯いだら陰干し。

 

 まてよ、むかし母は洗い張りといって、ほどいて洗った着物を板に貼りつけて乾かしていたんじゃなかったかな。(縮まないように、ですかね。)

 で、庭の隅にあるあれは、それ用の板なのでは?

 

 あった。けど、太い蔓がしっかりこびりついていて、こりゃあ、いますぐにはとても使えませんなあ。

 

 

 乾いたらアイロン。

 

 

 心配した縮緬の‘しぼ’が消えてしまうこともなかった。

 上出来ですね。

 

‘八掛’って8つのピースからなるからそういうのだそうな。

袖口や裾からちらと出る八掛の色でずいぶん表情が違ってくる。

 もとの着物のほかに、この紬にも合わせてみようか。