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しぐるるや

 

  しぐるるや木々の眠りのあさき闇

 

【時雨】秋の末から冬の初頃に、陰晴定めなく時々降り来る雨。(「広辞苑」第一版)

 

 季語としては冬。芭蕉の

  初しぐれ猿も小蓑をほしげ也

も冬だもんな。“秋しぐれ”という季語もあるらしいが。まあ、まさに時雨のいちにち。 ☞

 

 でも、晴れた日には、テニスコートへの道々にまださまざまな野草の花に出会う。

 

 ツユクサ。

 月の光を浴びて咲くので“月草”とか“蛍草”とも。花は一日でしぼんでしまう。花は露草色(縹-はなだ-色)の染料にも。一見可憐な草だが、実はしたたかな繁殖力を持っているらしい。

 

 

 カタバミ。

 ハート型の葉。夕方に閉じて翌朝また開く。

 初夏の花なんだけど今も咲いている…。

 “酢漿”という字を当てるのは、茎が酸っぱいので。

昔はこの葉で仏具を磨いたりしたとか。

 

 

 

 

 ノハカタカラクサ。

 トキワツユクサともいうらしい。なるほど、ツユクサと似ている。

 南アメリカ原産の帰化植物。なので歳時記にも載っておりません。

 

 コスモス。

 なんとなく日本に古来からあるものと思っていたけど、明治12年にイタリア経由で持ち込まれた元々がメキシコ原産の栽培種なんだそうな。

 でも、こんな感じで野生化したものも。可憐な花の代名詞のようだが、どうして強風に倒され、折れてしまってもそこからまた根を出すという。

 

コスモスの広きみだれに夜のとばり  中村汀女