2月にいったん冬眠から覚めた晨之介であったが、3月半ば頃から本格的に復活。
だが、こやつ、忍者の端くれと称していたが、とんでもない術使いであることが判明した。
‘遂遁の術’ ― テレポートすなわち空間移動の使い手らしい。 ☞
ナメクジがA地点から突如消滅しB地点に現れるテレポートの能力を有していることは世に広く知られた常識であるが、殻を背負ったカタツムリにはそれはできないというのが定説である。
しかるに、ある朝、晨之介の姿が忽然と消えた。寝ぐらには網が被せてあるのに。
旅立つのは本人の勝手だが、思わぬ所に居られたら、尻に敷いてしまったり、踏み潰してしまうとも限らぬではないか。
あちこち捜した挙句、ガラスの一輪挿しの中に居るのを発見。どうやって移動したのか。
いかなる術を施したのかは不明だが、見た目に違えてどうやら端倪すべからざる者であるようだ。
また別の日、やはり姿がなく、塒じゅうの葉という葉をひっくり返して見たのだが、どこにもいない。
うぬ、また‘遂遁の術’を使っいおったか。
諦めて不用になった葉などを捨てようとしたら、てっきり枯葉の裏に掴まっているのだ。
昨年は使い物にならずお粗末としか言いようのなかった‘忍法 ナナフシ’を今年はしっかり修得したのか。
青葉若葉より枯葉を好むらしいというので、それを見繕ってやったのが、術の進化につながったのじゃろか。枯葉を好むとは、さすが影丸の盟友じゃのう。
ともあれ無事2年目に復活できたとはめでたいことじゃ。