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外房の巨樹を訪ねる

 

 柳本弘氏の案内で千葉外房に。

 ふつかほど前の天気予報は大雨・暴風となっていたが、出発の頃には雨も上がった。不思議に柳本氏のツアーではほとんど雨に往生することがない。

 

 一本目の樹は、長南町大宮神社のスギ。

 急斜面の縁に踏ん張って立つ。  ☞

 スギは巨樹でも真直ぐにすっくと立っているのが通常なので、スギという樹にあまり惹かれることはなかった。だが、これはごつくていい。2本の合体木らしい。幹周8.0m、樹高26m、樹齢500年。

 

 同じ長生郡の睦沢町 諏訪神社のケヤキ。このときだけ雨に降られる。

 馬琴の八犬伝にも書かれている樹だそうだ。だが半身はほぼ枯れて空洞を抱えており、息も絶え絶えの状態でよくぞ倒れないでいると柳本氏の弁。

 幹周13.2m、樹高23.5m、樹齢1200年(伝承)。

 

 

 

 睦沢町 妙楽寺の2本のスダジイ。

 山中ながらゆったりと落ち着いた境内。

 

 石段脇の一本は根元に空洞を抱えた異形の姿。

 幹周7m、樹高15m、樹齢 400年。

 

 

 

大日堂にはみごとな欄間が。


さらにもう一本のスダジイ。根元には多くの石仏。

 

 いすみ市長福寺のマキ。これは姿の良い樹だ。雨上がりに濡れた木肌がさらに美しい。

 マキとしては全国でも有数の大きさだという。頼朝が筆を懸けたという伝説があるというが? すると1200年だが、まあ、800年でしょう、と柳本氏の弁。幹周4.8m、樹高10m。

 静謐な境内。先の妙楽寺と同じく天台宗。房総といえば日蓮宗と思っていたけれど。

 


本堂の欄間には‘波の伊八’と称えられた初代 武志伊八郎信由の浮き彫りが。

(この波は北斎の「神奈川沖浪裏」に影響を与えた、という説もあるそうな。)

 

 いすみ市山田神社のスダジイ。

 斜面側の根っこはまるでブルドックのような魁偉の相貌。幹周7.65m、樹高11.5m、樹齢300年超。

 スダジイって大きくなるととてつもない異形の姿になるなあ。いやさほどの巨木でなくても見応えのあるものがけっこうある。わが家のはまぁ、ふつうだけれど。


 

 小湊鉄道 養老渓谷駅近くまで来た。

 

 大多喜町 日枝神社の‘雄竜’‘雌竜’と並び称されるスダジイ。なかなかの怪異の貌。

 

 ‘雄竜’は下部に人が入れるほどの大きな空洞が。ほとんど残った樹皮だけで崖っぷちに立つ。(この空洞は明治時代の火災によるものだとか。)

 幹周7.88m,樹高16.5m,樹齢1000年。

 

 

  境内奥の藪の中に‘雌竜’。

 これまた凄みのある樹だ。物言わで圧倒的な佇まい。この木肌…。こんな樹に棲みついているのは神か妖怪か。

 幹周7m、樹高15m、樹齢1000年。 

 

 それにしても今日は見応えのある樹ばかりだったなあ。(寒かったけど…。)

 

 

 

海ほたる

 

 

 

晩食はコレド室町の蕎麦屋。今日は熱燗。

2軒の道の駅で買った塩だけで漬けている‘正しい’梅干し。