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カタツムリの夏バテ

 

 カタツムリも夏バテするらしい。

 それまであきれるほど大喰いだった彗太郎も、今月の初めごろから動きが少なくなって食も細くなってきた。この猛暑で夏バテしたのか。

 蓋のザルに保冷剤を置いてやると、ザル越しにその裏にぴったり貼り付いていたりする。カタツムリも暑いんだな。     ☞


 だが、保冷剤はすぐ溶けてしまう。冷暖のアップダウンが極端なのはよろしくあるまい。

 そう思ってやめていたら、とうとう側面のガラスに貼り付いて殻に籠ったまま動かなくなってしまった。

 


 彗太郎は殻のわりに図体がでかいせいか(?)、殻に全身を入れた姿をほとんど見せたことがない。こうなるのはめずらしい。

 今春昇天してしまった晨之介は、殻に籠ったまま数日間出てこないということがたびたびあった。彗太郎もほどなく出てくるだろうと高を括っていたら、3週目になってもそのままだ。いささか心配になって調べてみると、カタツムリも暑いと冬眠ならぬ‘夏眠-カミン-’をするらしい。(晨之介はしなかったぞ…。) 今年の夏がやはり異常なのか。

 

 

 夏眠なるものなら無理やり起こすわけにもいくまい。餌は普段から十二分に摂っていたから、まあ、心配はないか。

 彗太郎の一番の好物はキュウリ。それにスイカ。ナスもまあまあ。小松菜はときどき。ニンジンはまれに。カボチャは食べない。(晨之介は食べたカボチャやニンジンそのままの色のきれいなウンチをしていて楽しかったのに、残念。)

 あ、夏眠まえには下敷きにしていたペーパータオルをやたらに食っていつの間にか穴だらけにしたな。紙はパルプ=セルロースが主成分で、人間には消化できないけど、カタツムリは消化できるんですと。

 そういえば卵の殻にもよくかぶりついていた。耳を澄ますとかすかにジャリジャリという音が聞こえる。大根おろしのように舌で削りとっているのだとか(!)

 そのせいか、てきめんに殻も大きくなった。

 わが家にやって来た時(5/6)には直径16ミリだったのが、いまや3か月足らずで25ミリだ。厚みも出てきたようだし。(それでやっと殻に籠ることができるようになったのかな??)

 

 で、本日。

 ‘夏眠’で壁に貼り付いているうちに、このところ手を付けていなかった‘居室’の器の掃除を。

 と、そうこうしているうちに、むくむくと彗太郎が殻から起き出してきてしまった。

 それとも、この暑さに堪らず、わが家ではめったにつけないエアコンをとうとう稼働(といっても送風と除湿だけだけど)させたせいか。

 冬眠の際、暖房で室温が上下すると、たびたび目覚めて体力を消耗することになってしまう。(なので暖房のない場所に置くべし。) と言われているけど、夏眠の場合もそうなのかな…? さて、どうしたものかねえ…。