下北沢‘ラ・カーニャ’30周年にちなんだ小暮はなのライブ。
案内のメールが来たのが4日前だったので、テニスコートからそのまま駆けつけるはめに。(もっと早く知らせてくれよな!) そのせいか、店内はせいぜい2~30人だろうか。コアなファンが多いみたいだ。上海颱風の紅龍の姿も。 ☞
伴奏は永田雅代のピアノ(+鍵盤ハーモニカ)のみ。「AZUL」を共同制作したといっていい関係だけに、気心の知れた二人の相性はばっちりだ。
永田雅代もいいなあ。この人は無声映画に演奏を付けたりもしているらしいけど。メリハリの付け方が絶妙だ。
歌ったのは前半7曲、後半7曲、アンコール1曲。
〈前半〉
① サネカズラ CDには収録されていない歌。初めて聴く歌だ
② 咲き続ける花よ 再発された「AZUL」のボーナスCDにライブ音源が収録されていた曲だな
③ 沈黙 Silêncio〈Fado〉
④ ジャカランダの花
⑤ 別れのバラード Balada dadespedida 〈Fado〉
⑥ ファドを歌おう Canto o fado 〈Fado〉
⑦ ホタルの庭で
〈後半〉
① 朱いさかな
② Rita
③ AVIA
④ 誰かが誰かを
⑤ 過ぎ去りし日々 Those were the days
⑥ チョウチョ これってもしかしてアブナイ曲なのかも…。YouTubeに素晴らしいライブ動画が ―
⑦ タンポポのように
〈アンコール〉
初恋
「過ぎ去りし日々」はジョージ・ハリソンの「All Those Years Ago」ではなく、元々ロシア民謡「長い道を」をアレンジしたものをポール・マッカートニーのプロデュースでメリー・ポプキンが歌ったもの。日本でも「悲しき天使」としてずいぶん流行りましたね。
小暮はなのMCによれば、高田渡の歯の主治医であった藤原直樹という人がこれを和訳して「過ぎ去りし日々」というタイトルにしたのだとか。この詞で小暮はなが歌うと、ノリもいいのにひしひしと哀愁が。客席から期せずして手拍子。
そのノリがさらに次の「チョウチョ」にも移って、やや変則的なリズムなのに手拍子が続く。小暮はなの声も絶好調だ。永田雅代のピアノも素晴らしい。歌い終わって“「チョウチョ」で手拍子もらったの初めてだわ”と小暮はなが言う。この手拍子を直ちに難なく揃えるとは。みな音楽関係者か。
“ふだんあまり歌わないしっとりしたうたを”と言っていたとおり、CDにも収録されておらず、ライブで初めて聴く歌もあったけれど、小暮はなも絶好調。素晴らしいライブだった。