余計なお世話?
手 芸 Ⅱ ― あの手この手で手を抜けば
石膏型取り ~ 鋳込み ~ 整形 ~ 焼成
原型からの型取り~石膏型からのグリーンウェアの抜き出しが容易にできるのは、このように指どうしが横並びになって前後にばらけず、真直ぐ伸ばした形になっているもの。
まして、指が交差するように重なっていたりすると、作業はひどく難渋する。
しかし、作業上のつごうに拘ってばかりいては、ろくな仕事にはならない。
手の原型を作るときには、一切後々の工程を斟酌しないことにしているので、作ってしまってからあれこれの難行を余儀なくされることになる。(自業自得ですね。)
中型の範囲が決まったら、ここを除いた2型を取るための原型の傾きを確定する(粘土で固定)。
パーティングラインマーカーでラインのあたりをつける。(上下の垂直方向に割れる2型のパーティングラインが引かれることになる。)
繊細なパーツになるので、堅牢な歯科用石膏を用いる。(ただし、本来の混水率20%を25%で。流動性をよくするため。堅牢度は感触としてはほとんど変わらない。)
流し込んだ石膏がうまくおさまるように、傾けた石膏型を油土で安定させる。
まずまずの成果でした。やれやれ。
問題は中指と薬指が交差して重なっていること。
こうなると、中型を作っても、甲側-掌側の2方向だけで型取りすることはできない。(そもそもそんな手を作らなきゃいいじゃないか、なんていわないでくだされ…。)
まず初めに、どんな中型が可能かを検討。
ラドールで仮の中型をつくってみる。(実際にこの型で取り出すことができるのか、を確認することが肝心。2つに分けた型のうち、とりわけ人差指~薬指にかけてのほうが微妙。)
引っかからずに取り出せることが確認できたら、これを元にパーティングラインを引く。
中型2つ + その他4つ の計6つの型に。(後、詳解する。)
(それぞれの範囲が紛らわしくなったので、指先エリアにドット。)
今回、型取りできなかった部分は、親指・人差指・中指の指先が合わさった裏側。
ここの中型を無理に作ろうとすれば、極端に薄いものにせざるをえない。現実的な作業上、おそらく強度的に石膏は耐えられないだろう(歯科用石膏でも)。
そこで、ここは後で削り出すことで処置。
◇
ぎりぎりのパーティングラインで型取りしようとすると、やはりトラブルは生じやすい。
グリーンウェアを型から抜き出すとき、パーティングラインに余裕がないと(まして、食い込んでいたりすると)損傷は生じやすい。(例えば2型の場合は、パーティングラインは厳密には狂いが許されないものになり、パーフェクトでないかぎり多かれ少なかれ欠損する。)
腕や脚のようなシンプルな形なら、多少の狂いがあっても大きな損傷にはつながらないし、補整・修復も容易である。だが、手のような複雑でデリケートな形ではトラブルは厄介なものになる。
後半の例では、型数が多くなるのと引き換えに、無理のない型抜きができるような石膏型取りにした。
結果的には、この方が作業としてもスムーズだし、できあがりもきれいになる。
パーティングラインが増えるので、焼成後の‘バリ’が気になるところだが、石膏型がしっかり噛み合っているなら目立つことはない。